10.6 やる気がでないときどうするか?

更新日 2021年5月30日


『やる気が出ない』とうまく付き合う

誰もが一度はやる気がなくなることがあると思います。

どんなに大事なことでも、一生懸命やっていても、やる気がなくなる時期は必ずあります。

東大などの難関大に合格した人でも、ずっとがんばり続けられたわけではなく、ダラける時期があった人がほとんどです。


やる気が出ないからといって、自分を責める必要はありません。

むしろ「やる気が出ないときもある」ということは前提で構わず、そのときの『自分自身のやる気の戻し方』を知っている人の方が強いと思います。



やる気を出すためのスイッチは人それぞれですが、受験生が聞かせてくれた方法をいくつか紹介します。

<勉強を始めるハードル(面倒臭さ)を下げる>
①やりやすい教科から始める(作業集中)
②勉強モードの音楽を決める
③15~20分の仮眠を取ってから始める
④5分だけ勉強して散歩する
⑤たまに場所を変えて勉強してみる

<勉強への意欲を上げる>
⑥目標に立ち返り、書き出してみる
⑦大学で年収はこんなに違う、を知る
⑧やる気がある人と一緒に勉強する


やる気スイッチは本当に人それぞれなので、良いかもと思うものをやってみて自分にはまると思ったものを採用してください。



①やりやすい教科から始める(作業集中)

例えば得意教科から始める、あまり頭を使わずに作業的にできる計算ドリルや英単語暗記から始める、などをしてみてください。

『作業集中』という言葉がありますが、これは作業を始めると終わるまでスッキリせず、ついついやり切ってしまうということです。

例えば片付けは面倒くさいのに、一度始めると、完璧にきれいになるまで片付けをしたくなったりしませんか?

それが『作業集中』です。

やりやすい得意教科、計算ドリル/英単語などから始めることで、『作業集中』に入り込めるかもしれません。




②勉強モードの音楽を決める

原則としては、できれば勉強中は音楽は聞かない方がいいです。
<10.1 勉強中の音楽はアリか?>

ですが、どうしてもやる気が出ないときは、勉強し始めの時間だけ好きな音楽を聞きながらやってみてください。

聴覚が奪われる分だけ、視覚としては目の前にあるものに集中できたりします。

その内、「勉強を始めるときはこの音楽!」といったものが決まってくるかもしれません。




③15~20分の仮眠を取ってから始める

眠いときは、絶対にやる気は出ません。

そもそも眠いまま勉強するのは非効率です。

そんなときは15~20分の仮眠がオススメです。コーヒーや紅茶などのカフェインを取ると15~20分後に効いて寝覚めがよくなります。

ただし30分以上寝ると、本格的に脳が睡眠モードに入ってしまい、起きてもボケた感じになるので、20分以内がオススメです。

私は1日に1~2回は仮眠を取っていました。




④5分だけ勉強して散歩する

すぐ散歩するのではなく、5分だけ勉強してから散歩するのがミソです。

散歩中はテレビなども見れないので、意識が直前の気がかりだったことに向きやすくなります。

いきなり散歩ではボーっとするだけですが、5分勉強してから散歩すると、散歩中にその勉強の内容に意識が向き、頭が勉強モードに切り替わることがあります。




⑤たまに移動して場所を変えてみる

場所を変えると気分が変わるだけでなく、『サンクコスト効果』という力が働きます。

『サンクコスト効果』とは、もう払ってしまった時間・費用の元を取ろうとする心理のことです。

移動に時間を使ったり、カフェのコーヒー代を払うことで、その元を取ろうとして「勉強をがんばろう」と思えるかもしれません。

バイキングにいったら、もうお金は返ってこないのに、払ったお金の分はちゃんと食べようと思いますよね。これと同じです。

誰にでもはまるわけではありませんが、やる気が出ないときに一度試してみるといいかももしれません。


なお、場所を変えて勉強すると記憶効率がアップするという論文もあります。
<9.8 場所を変えて覚えると暗記効率が1.5倍>



⑥目標に立ち返り、書き出してみる

やる気がなくなっている状態というのは、「面倒くさい」という気持ちが、「目標を達成したい」という気持ちよりも大きくなってしまっている状態です。

そんなときは、自分が目標としていたことを書き出してみて、目標を再認識するといいかもしれません。


勉強する理由を書き出してみてください。

人によっては「医者になって多くの人を救いたい」という話かもしれませんし、「モテるから」とか「自慢できるから」とか「いい仕事に就けるから」かもしれません。

目標を達成できなかった自分と、目標を達成できた自分をイメージしてみるのもいいです。

その目標を達成するためにはこんなところではダラダラしていたはダメだ、という気持ちになるかもしれません。




⑦大学で年収はこんなに違う、を知る

お金だけをモチベーションにしてほしくはないですが、健康に生きていきるため、またやりたいことをやるためにお金は大事です。

例えば大学ごとの平均年収は以下です。



もちろん、年収で仕事や大学を選ばない人もいると思いますが、お金を重視する人はこう考えてみてください。

同じ私立でも、平均年収に150万円程度の差はありますよね?

仮に22歳から65歳まで、44年間働くとすると
150万円×44年間=6600万円の差が出ることになります。

たった1年だけ勉強をがんばるだけで、6600万円稼げると思ったら、やる気が出ませんか?


なお、分かりやすい指標として学歴とお金の話を出しましたが、私は学歴自体は意味のないものだと思っている派です。

勉強の意味や学歴社会について疑問に思う人はこちらをご覧ください。
<12.1 勉強する意味は何か?>
<12.2 学歴社会はいいことか?>




⑧やる気がある人と一緒に勉強する

勉強を一生懸命やっている人を見ると「こんなことをしている場合じゃない、がんばらなきゃ」と思うことがあると思います。

難関大に合格した人の中には「実は進学校や有名塾も、授業の内容はあまり関係なくて、がんばる受験生がいたからそれを横目に見て自分もやる気が出た」という人もいます。


実際、勉強するグループに属している人は、勝手に勉強するようになります。

やる気が出ないなと思ったら、勉強をがんばっている人と一緒に勉強したり、話したりしてもいいかもしれません。



繰り返しになりますが、やる気スイッチは本当に人それぞれです。

ですから、気になるものをやってみて自分にはまると思ったものを採用してください。



本コラムのまとめ

やる気が出ないときに自分を責めるのではなく、『やる気』とうまく付き合う
①やりやすい教科から始める(作業集中)
②勉強モードの音楽を決める
③15~20分の仮眠を取ってから始める
④5分だけ勉強して散歩する
⑤たまに場所を変えて勉強してみる
⑥目標に立ち返り、書き出してみる
⑦大学で年収はこんなに違う、を知る
⑧やる気がある人と一緒に勉強する